ダウンサイズ観てきた

ダウンサイズ・・・
働かなくて良い世界。
団塊世代に流行ってる海外移住やロングステイとかに近い感覚なんだろうか。
観客は年金生活っぽいお年寄りが多かった。

次はバーフバリ観たいんだけど、柏のキネマ旬報シアターまで朝9時半に行かなきゃいかん・・・。
Blu-ray にしようかなあ。

 


 

ダウンサイズ★★★ 41点

前半はかなりワクワクで楽しい。
中盤以降の失速がすごい作品。

この作品の監督は皮肉屋で有名なんだね。知らなかった。

公式サイトでは「小さくなれば生活に必要なコストが下がって、資産が実質的に82倍になるから一生働かなくて良い」なんてのを書いてるからベーシックインカムを揶揄したような、コメディだけど将来の僕らがいずれ直面する考えなきゃいけない問題、人類の次のステージについて切り込んだ内容かと思ってた。
でも実際には
“流されやすくて自分で物事を決められないダメ男の人生”
が主なテーマ。
そこのギャップで、全く意味が分からない映画にみえた人は多いはず。

ベーシックインカムは発想の元ネタとしてあるんだろうけど、小さくなった人たちの生活について、「時間と金銭の心配がないステージに進んだ代わりに現れた新しい問題」というようなものは一切描かれない。経済的な話や社会がどう変化するかについても詳しく触れられない。小さくなっても人間の生活は今と全く変わらない。相変わらず世界は富裕層と貧困層とに分かれてて、貧困層は永遠に貧乏から抜け出せないという世界になってる。

クリストフ・ヴァルツ演じる皮肉屋のドゥシャンがたぶん監督の意見を代弁してるんだろうね。要約すると、環境保護や人口爆発による問題を唱える奴等はカルトで頭がおかしい。環境破壊が加速しても人類が滅亡するのは数百年後だ。ダウンサイズ (≠ベーシックインカム) を望む連中も今いる世界から逃げ出したいだけの落伍者か洗脳されやすいバカのどちらかである、と。

皮肉のコメディ映画ですといえば聞こえは良いけど、中身は短絡的というか視野が狭いというか、、設定の底が浅くてがっかりした。
貧困層がメキシコ人と浅黒いアジア人しかいない所とか。小さい世界と大きい世界で交流はあるのに大きい人が全然関わってこない所とか。小さい世界にも貧困層の救済のための組織や募金なんかもあって良さそうなのに無いっぽいし。サポートセンターなんて大きい世界と関われる仕事は大きい世界と同じ給料のはずだから人気職のはずなのにバカにされてるし。
他にも小さい世界では自然が脅威になるとか一切無し。大雨が降っても雨粒は大きくないし水たまりも普通サイズ。トンボやネズミに襲われる事も無いし。
んー、何にもなかったね。

“時代や世界が変わっても人々が求めるものは変わらない”
っていうストーリーは、皮肉でやるんじゃなく「愛」とか「自由」とかキレイな内容でやった方が光るんじゃないの?
手塚治虫の「火の鳥」みたいにさ。

 

ただし前半のワクワク感は本物。
あと小さくなっても閉鎖した生活を送るんじゃなく、大きな世界と交流ができて飛行機に小人 (こびと) 料金で乗れたり選挙権もあるっていうのはいかにもアメリカ的で良かった。
飛行機なんか1人分の座席スペースを小人 (こびと) 100人くらいで払えば良いわけだから、そりゃ安くなるわなあ。

まあでも41点を超える事はないな。

 

 

2018/03/09 78.4kg
今週末には77kg台に突入!?