そういや正月はスカパーで録りためてた映画を観てました。
特に面白かったのが 切腹 (1962) と ロブスターのふたつ。
今年は大食い日米対決がないから、、と思って油断してたら
小林尊 VS ライオンの大食い対決なんて素晴らしい番組があったんだね。
観たかったなあああああああああ
ドラマでは The Gifted が面白いね。X-MENが出てこないX-MENスピンオフ。
現在3話。
切腹 (1962)★★★★★ 97点
江戸時代、士農工商の身分制度はあるものの、武士は基本的に藩に仕える公務員にしかなれず、どれだけ生活が厳しくても副業もできず、それなのに武士として生まれたからには武士として生きて武士として死ぬことが求められた時代の話。
「切腹したいので庭を貸してくれ」と井伊家 (大名) を訪れた貧乏浪人の津雲半四郎と
「早く切腹しろ」と半ば娯楽めいて貧乏浪人の切腹を見守る井伊家の侍たちの会話が中心。
ひたすら会話が続くというとタランティーノ監督作品のようなんだけど、あの独特の無意味な会話とは違って、切腹に来た理由を話すことでストーリーと世界観の説明と伏線配置を全て同時に進行させ、最後に伏線回収する。この仕掛けがシンプルながら見事で、すごく面白い。
日本人なら誰もが楽しめる作品だし、これが発表された1962年、日本のことや武士の文化を何も知らなかった外国人は度肝を抜かれただろうなあと思う。
ただ古い作品ということもあり、wikiでも映画情報サイトでも、ストーリーを最初から最後まで書かれてしまっているのが残念。
何も知らずに白紙の状態で観れた僕は幸せだ!!
ロブスター★★★★★ 84点
独身者は45日以内にお相手を見つけないと動物に変えられてしまう世界。
もうこの時点で映画というよりはサブカル系のマンガに近い設定の作品。
独身者はまずとあるホテルへ集められ、そこで45日以内に相手を探す。
見つからない場合は動物に変えられてしまうが、森に潜む独身者 (逃亡者) を狩ることで1人狩る毎に1日延命される。
主人公は妻と別れたことでホテルに送り込まれた男性。
ホテルで知り合う男2人以外は人名で呼ばれないのが特徴で、主人公が表面は良い人ぶってるけど実は他人に興味ないんだなとかそういう部分が細かく世界観や設定内で描写されてる。
で、この映画の何が楽しいかって、
パートナーを作ることを諦めたグループと諦めてないグループ、パートナーがいるグループ。それぞれの対比の描写が激しくてやり過ぎ感が満載なところ。
ネットや現実社会で「彼女ができた」っていう人がいると必ず現れる
「どうせその女は金目当てだよ」とか「愛なんて存在しないよ」とか「一人の方が気楽だし自由だよ」っていう人たち。
この誰も得しない無益な争いが映画内でも行われてるんだけど、これがまたすごい過激。殺し合い。
パートナーがいる人たち (ホテル運営者) も自分には関係ないと思ってるのが見え見えで、無責任に
「男性はオナニーをしなければ女性を魅力的に感じるようになる」とか
「女性はパートナーがいなきゃ簡単に襲われて誰も助けてくれない」とか洗脳して回ってる。
やり過ぎなんだけど、実際にこういう人いるよなあとか心の中ではこう思ってるんだろうなあとか、皮肉やブラックユーモアが効いてて楽しい。
恋人作りをネタにしてるけど恋人の有無にかかわらず誰もが楽しめる内容。
同性の友達同士で鍋パーティーとか、そういう時に流すのにぴったりの映画。
で、観終わったあとに反すうしてて思ったんだけど、これは実は
「私は一度も彼氏を切らした事がない」
なんてのを自慢に思ってて、平気で浮気して男を乗り換え続ける女っているじゃん。
ああいうやつに対して当てつけで
「その気持ちわかるよ!恋人がいないと怖いホテルに送られちゃうもんな!」
って皮肉った映画なんじゃないかな。
まあそういうのも含め、観終わった後も楽しめる映画でした。
2018/01/11 81.1kg